SPIの集合はベン図より表が速い ── 数え漏れを構造で防ぐ
この記事の内容は 2026-09-06 時点のものです。
確認できていない範囲:「集合」という分野名は、提供元であるリクルートマネジメントソリューションズ社の公開資料では確認できません。設問数・分野ごとの出題比率も公表されていません。この記事の手順は当サイトが整理したものであり、提供元が示した解法ではありません。他社の検査の記載は、出題内容が同一であることを示すために引用しているものではありません。
集合の設問で数が合わないとき、原因はほぼ一つに絞れる ── 重なっている部分を二重に数えているか、どこにも入らない人を忘れているかである。
円を2つ描いて重ねる書き方は、この2つの誤りを防いでくれない。円の外側は紙の余白と区別がつかず、重なりの領域は目分量で書くことになるからである。
この記事では、条件が2つのときは表、3つのときは図と全体の管理を分ける、という置き換えを示す。
目次
公表されている出題の枠
リクルートマネジメントソリューションズ社の就職準備応援サイトには、SPIの能力検査について次の記載がある ── 「能力検査の問題は、『言語分野』と『非言語分野』の2種類があります。言語分野では、『言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうか』……を測定しています。」(同社サイト・2026年9月6日確認)。
同社の料金ページでは、大卒採用向けのSPI3-Uがテストセンター・インハウスCBT・WEBテスティングで65分、SPI3-UEがテストセンターで85分、SPI3-USEがテストセンターで105分と記載されている(同日確認)。
一方、非言語分野の内訳、つまり「集合」に当たる設問がいくつ出るかは公表されていない。分野名も出題数も、受検者側からは事前に確定できない。この記事で扱うのは、条件が複数重なる設問の処理の仕方そのものである。
他社の例も見ておく。日本エス・エイチ・エル社のCABには暗号という科目があり、「表面に現れている事象や現象から、背後に隠されている構造や関係を推理する能力を測定します。」と説明されている(同社サイト・同日確認)。CABの所要時間は72~95分である。条件の裏にある構造を取り出すという点では、集合の設問も同じ帯にある。
誤りは「二重計上」と「外側の忘れ」の2つだけ
集合で出る誤りは2種類しかない。
二重計上:AとBの両方に当てはまる人を、Aの人数にもBの人数にも入れたまま足してしまう。 外側の忘れ:AにもBにも当てはまらない人を、全体の人数から差し引き忘れる。
この2つを構造的に防ぐには、すべての人がちょうど1つの枠に入る書き方にすればよい。表はそれができる。円は、外側という枠を明示しないのでそれができない。
条件が2つなら2×2の表に落とす
条件が2つ(AかどうかとBかどうか)の設問は、次の表に落とす。
| Bである | Bでない | 合計 | |
|---|---|---|---|
| Aである | ① | ② | Aの合計 |
| Aでない | ③ | ④ | Aでない合計 |
| 合計 | Bの合計 | Bでない合計 | 全体 |
内側の4マス(①〜④)は互いに重ならず、合計すると全体になる。誰がどこに入るかが一意に決まるので、二重計上も外側の忘れも起こらない。
設問文の数値は、この表のどこかに必ず対応する。「両方に当てはまる人」は①、「Aだけ」は②、「どちらでもない」は④、「Aの人数」は右端の合計である。
表の埋め方は「端から」
表を作ったら、埋める順番も決めておく。
手順1、全体の数を右下に入れる。 これが基準になる。 手順2、行と列の合計(周辺の数)を入れる。 「Aの人数は120人」のような数はここに入る。 手順3、内側の4マスのうち、設問文が直接くれたものを入れる。 たいてい1つか2つある。 手順4、残りは引き算で埋める。 行の合計から既知のマスを引く、列の合計から引く、それだけである。
要点は、手順4に入ったら考えないことである。表が正しく組まれていれば、残りは引き算で必ず埋まる。ここで考え込むのは、手順1〜3のどこかで数を入れる場所を間違えた合図である。
条件が3つのときだけ図を使う
条件が3つになると、表は2×2×2の8マスになり、紙の上で扱いにくい。ここではじめて円を3つ描く形が効く。
ただし描き方を決めておく。中心(3つ全部に当てはまる領域)から先に埋める。次に2つずつ重なる領域、最後に1つだけの領域、そして外側。
この順番にする理由は、外側から埋めると重なりの数がまだ確定しておらず、後から引き算し直すことになるからである。内側から外へ、と決めておけば、各領域の数は一度書いたら動かない。
3つの円を描いたときも、外側の領域に必ず数字を書く。ゼロならゼロと書く。空欄のままにすると、合計を取るときに存在ごと落ちる。
「少なくとも1つ」は全体から引く
集合の設問でよく出るのが「少なくとも1つに当てはまる人は何人か」という問いである。
これを正面から足すと、A+B+C から重なりを引いて、3つ重なる部分を足し戻して……と項が増える。項が増えれば、そのぶん符号の間違いが起きる。
早いのは全体から「どれにも当てはまらない人」を引くことである。表なら④のマス、円なら外側の領域。これで1回の引き算で終わる。
「少なくとも」という語を見たら反対側を数える、という置き換えは、確率や場合の数でも同じく効く(SPIの確率と場合の数)。問われた側をそのまま数えない、という一点で共通している。
集合の設問は、難しいのではなく書き方で結果が変わる分野である。条件が2つなら表、3つなら内側から埋める図、「少なくとも」は反対側を引く。この3つを決めておけば、数え漏れは構造として起きなくなる。
SPIの科目ごとの手順はSPIの設問パターンと手順、条件が複数並ぶ設問の扱いはSPI 推論の頻出形を5つの型に分類するにまとめている。設問パターン名から手順を引くなら設問パターン索引から入れる。
この記事で示した手順と、同じ型の設問をまとめて確認できるようにしたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく「なぜそう解くか」の手順を添えている。