対策期間が2週間しかないときの削り方 ── 埋める順番より、捨てる順番を決める
この記事の内容は 2026-09-06 時点のものです。
確認できていない範囲:各検査の設問数、分野ごとの出題比率、通過基準は、提供元の公開資料では確認できません。この記事の配分は当サイトが整理したものであり、提供元が示した基準ではありません。受検する企業でどの検査・どの科目が課されるかも、事前には確定できません。
残り2週間で3形式を仕上げることはできない。まずここを認めるところから始める。
できないことを前提にすると、問いが変わる。「何を埋めるか」ではなく「何を捨てるか」になる。そして捨てる順番は、時間があるときの埋める順番の逆ではない。
この記事では、公表されている検査時間を並べたうえで、14日をどう置くかを1本にまとめる。
目次
公表されている検査時間を並べる
まず、公表されている枠を並べる。時間の長さが、そのまま準備の重さに効くからである。
日本エス・エイチ・エル社の玉手箱Ⅲは、実施形態がWeb、所要時間合計49分と記載されている。同社のGABは所要時間80-90分、実施形態は紙・Web・テストセンター方式、CABは所要時間72~95分である(同社サイト・2026年9月6日確認)。
リクルートマネジメントソリューションズ社の料金ページでは、大卒採用向けのSPI3-Uがテストセンター・インハウスCBT・WEBテスティングで65分、ペーパーテスティングで110分と記載されている(同社サイト・同日確認)。
ヒューマネージ社の考察力検査 C3 は検査時間30分、基礎能力検査 i9neo は15分、一般常識検査 P3 は50分である(同社サイト「知的能力検査 i9 / C3 / J3 / P3」ページ・同日確認)。
一方、設問数、分野ごとの出題比率、通過基準はいずれも公表されていない。したがって「どの分野を何問埋めれば通るか」は計算できない。以下は、限られた時間で得点の期待値を上げる置き方である。
最初に捨てるもの3つ
2週間なら、次の3つは最初に外す。
1、出るかどうか分からない科目。 英語がその代表である。英語が課されるかどうかは受検するまで分からないことが多く、課された場合も語彙を2週間で積み上げるのは現実的ではない。読み方だけ決めておいて、練習量は割かない(玉手箱の英語はどこから読むか)。
2、手順が長い特殊な設問。 暗号、複雑な軌跡、条件が5つ以上並ぶ推論など。1問あたりの学習コストが高いわりに、出題される保証がない。単価の高いものから捨てる。
3、参考書の通読。 頭から読むと、出題頻度と関係なく均等に時間を使うことになる。2週間では、頻度の高い帯に偏って時間を置くほうが得点は上がる。
残す帯は「毎回出て、手順が短いもの」
残すのは、次の2つの条件を両方満たす帯である。
- 毎回出る(形式が何であれ、計算と読解の帯は必ずある)
- 手順が短い(覚える手順が3ステップ以内で済む)
具体的には次のあたりに絞られる。
- 四則逆算・計算の穴埋め(四則逆算は分数と小数のどちらに寄せるか)
- 図表の読み取り(図表の読み取りは割合と実数のどちらを先に出すか)
- 損益・仕事・速さなどの文章題(SPIの速さと旅人算)
- 推論の基本型(順序・対応)
- 長文の要旨をつかむ読解
手順が短い帯は、覚えてから点になるまでが早い。2週間で効くのはここである。
14日の置き方
日数の配分は次のようにする。
1日目 ── 形式を確定させる。 受ける企業がどの形式を使うかを、受検案内の記載から読み取る。ここが外れると2週間が丸ごと無駄になるので、最初に時間を使う(形式判別の第一手)。
2〜4日目 ── 計算の帯だけを回す。 四則逆算と図表の読み取り。手順を固定し、変換の向きを決める。この3日は速度を測らず、手順どおりに解けるかだけを見る。
5〜8日目 ── 文章題と推論の基本型。 全体を1と置く、表に落とす、図を引く。1日1型でよい。型が増えるより、1つの型が確実に出るほうが点になる。
9〜11日目 ── 時間を測る。 ここではじめて秒数を作る。制限時間 ÷ 設問数 で平均を出し、その8割を目標にする。手順が入る前に測ると、速くしようとして手順が崩れる。
12〜13日目 ── 通しで解く。 本番と同じ長さで1回通す。ここで初めて「捨てる判断」を練習する(捨てる問題をどう決めるか)。
14日目 ── 手順の確認だけ。 新しい問題は解かない。理由は後述する。
順番の要点は、手順 → 速度 → 通しを崩さないことである。速度から入ると、手順が固まる前に雑さが身についてしまう。
性格検査に時間を使わない理由
短期で対策を組むとき、性格検査は練習の対象から外す。詰め込みが効く作りになっていないからである。
日本エス・エイチ・エル社の玉手箱ⅢとGABのパーソナリティについて、同社は測定方法を次のように記載している ── 「4つの行動に関する記述の中から、自分に最も近いものを一つ、最も遠いものを一つ選び、職務上の行動特性を予測します。」(同社サイト・2026年9月6日確認)。
最も近いものと最も遠いものを選ばせる形式では、すべての項目に望ましい答えを並べることができない。どれかを「最も遠い」と選ばざるを得ないからである。
だから、2週間の中で性格検査に割く時間はゼロでよい。ただし時間内に全部答えきることだけは意識する。未回答が残るのは、内容の問題ではなく操作の問題である。位置づけの詳細は玉手箱 性格検査の位置づけにまとめている。
直前3日でやること
最後の3日は、新しい型を足さない。理由は2つある。
1、覚えたてのものは本番で出てこない。 手順として定着する前の型は、時間に追われた状態では思い出せない。思い出せない型を1つ増やすより、持っている型を確実にするほうが点になる。
2、新しい型に触れると、できないことに目が行く。 直前に「解けない問題」を見ると、持っている手順まで信用できなくなる。直前は、解ける問題だけを解く。
代わりにやるのは次の3つである。
- 覚えた手順を、紙に書き出して並べる(見て思い出せるか確認する)
- 単位換算・分数と小数の変換など、機械的に出るはずのものを確認する
- 受検の期限と、当日の環境(機材・回線・場所)を確認する(自宅受検の環境)
2週間の対策で結果を分けるのは、どれだけ埋めたかではなく、埋めない範囲をどれだけ早く決めたかである。出るか分からない科目、手順の長い設問、参考書の通読を最初に外し、残した帯だけを手順 → 速度 → 通しの順で回す。
形式ごとの手順は玉手箱・SPI・TG-WEBにまとめている。併願時に3形式へどう時間を割るかは玉手箱・SPI・TG-WEB 併願時の対策配分の定石を参照してほしい。
この記事で示した手順と、同じ型の設問をまとめて確認できるようにしたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく「なぜそう解くか」の手順を添えている。