立方体の切断面をどう描くか ── 3点を結ぶ前に、同じ面を探す
この記事の内容は 2026-09-05 時点のものです。
確認できていない範囲:「TG-WEB」の名で受検した検査に立方体の切断面がどのように出題されるか、その設問数や配分は提供元であるヒューマネージ社が公表していません。同社が公開しているのは各検査の測定領域と検査時間であり、設問の型の一覧ではありません。この記事で示す作図の手順は当サイトが整理したものであり、提供元が示した解法ではありません。
立方体の切断面の設問は、「頭の中で立体を回せる人が有利」と思われている。だが本番で正解している受検者の多くは、回してはいない。規則に従って線を引いているだけである。
規則は3つしかない。この記事では、その3つと、使う順番を示す。
目次
提供元が公表している「空間把握」の記載
まず、公表されている範囲を確認する。
ヒューマネージ社の判断推理力検査 i9 の紹介ページには、測定するものとして「言語および数理に関する論理的思考力」が挙げられ、内訳として言語判断推理力は文章の並び替えや要旨把握、数理判断推理力は条件下での解導出と空間把握を測定すると記載されている。検査時間は30分、基準レベルは4年制大学卒業レベル、IRTにもとづくランダム出題とされている(同社サイト・2026年9月5日確認)。
同社の考察力検査 C3 は、「言語・数理に関する潜在的能力」を測定し、検査時間30分、マークシート方式と記載されている(同社サイト・同日確認)。
一方、日本エス・エイチ・エル社の玉手箱Ⅲでは、測定項目の一覧(仕事算の解き方で扱っている)の中に空間把握に当たる科目の記載はない(同社サイト・同日確認)。
ここから読み取れるのは2点である。第一に、空間把握という語を測定領域として明示しているのはヒューマネージ社の側である。第二に、それでも設問の型(切断面・展開図・サイコロなど)の一覧は公表されていない。就職活動の場で「TG-WEBの図形」と呼ばれている出題が、公式のどの記載に当たるかは特定できない。
この記事で扱えるのは、立方体の切断面という設問に当たったときの処理であって、出題の予測ではない。
才能ではなく作図の問題である
切断面の設問は、たいてい「立方体の3点を通る平面で切ったときの断面はどれか」という形で出る。
ここで多くの受検者がやってしまうのが、3点をそのまま直線で結ぶことである。3点が同じ面の上にないのに結んでしまうと、立体の内部を通る線を引くことになり、断面ではなくなる。
正しくは、切断面は立方体の表面にしか現れない。だから引ける線は、面の上を通る線だけである。この1点を守るだけで、誤答の大半は消える。
切断面を描く3つの規則
規則1、同じ面の上にある2点だけを結ぶ。
3つの点が与えられたら、まず「どの2点が同じ面の上にあるか」を探す。同じ面にある2点は結んでよい。同じ面にない2点は、その時点では結ばない。これが最初にして最大の規則である。
規則2、向かい合う面には平行な線が現れる。
立方体の向かい合う2つの面は平行である。平行な2平面を1つの平面で切ると、断面に現れる2本の線は必ず平行になる。
したがって、上面にすでに1本引けているなら、下面に現れる線はそれと平行である。方向が決まっているので、あとは通る点さえ分かればよい。規則1で結べなかった点は、たいていこの規則2で処理できる。
規則3、切断面は面をまたぐたびに折れ、立方体を一周して閉じる。
断面は必ず閉じた図形になる。線を引いていって閉じないなら、どこかで規則1か2を破っている。閉じるかどうかが検算になる。
使う順番を固定する
この3つは、使う順番を決めておくと迷わない。
手順1、3点に印をつけ、それぞれがどの面の上にあるかを書き込む。 立方体の6面に番号を振り、点ごとに「上面と前面の辺の上」のようにメモする。ここを飛ばすと、規則1の判定ができない。
手順2、同じ面にある2点をすべて結ぶ(規則1)。 たいてい1本か2本引ける。
手順3、引いた線と平行な線を、向かい合う面に引く(規則2)。 通る点は残った1点か、辺との交点である。
手順4、閉じるまで手順2と3を繰り返す(規則3)。
この4手順は、点が3つでも4つでも変わらない。同じ手順で最後まで行けることが、この型の唯一の速さの源である。
選択肢から絞る補助線
作図が最後まで行かなくても、途中で選択肢を絞れることがある。
辺の数で絞る。 切断面が何角形になるかは、断面が通る面の数と一致する。立方体は6面なので、断面は最大で六角形である。3面しか通らないなら三角形にしかならない。面の数を数えるだけで、選択肢の半分が消えることがある。
平行の有無で絞る。 規則2から、向かい合う面を両方通る断面には必ず平行な辺の組が現れる。選択肢の図に平行な辺の組がなければ、その選択肢は消える。
頂点を通るかで絞る。 与えられた点が立方体の頂点なら、断面の角もそこに来る。選択肢のうち、その位置に角のないものは消える。
これらは作図の代わりではなく、作図の途中で使う枝刈りである。全部描き切ってから選択肢を見るより、1つ引くごとに選択肢を見るほうが速い。
練習で確かめる1点
この型の練習では、正答率よりも先に確かめることがある ── 規則1を守れているかである。
間違えた問題を見直すとき、次を確認する。
- 同じ面にない2点を結んでいないか
- 平行の規則を使わずに、目分量で線を引いていないか
- 断面が閉じているか
この3つのどれかを破っていたなら、それは空間認識の不足ではなく手順の抜けである。手順の抜けは、次の1問から直せる。
図形全般の型はTG-WEB 図形・展開図問題、従来型と新型の判別はTG-WEB 旧型と新型で扱っている。
切断面は、回して見る設問ではなく、引ける線と引けない線を判定する設問である。同じ面の2点を結ぶ、向かいの面には平行な線、閉じるまで続ける ── 規則が3つしかない以上、覚えきれない量ではない。
TG-WEBの科目ごとにどの手順を当てるかはTG-WEBの設問パターンと手順にまとめている。
この記事で示した手順と、同じ型の設問をまとめて確認できるようにしたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく「なぜそう解くか」の手順を添えている。