SPIの推論(位置関係)── 図の向きを先に決めて、条件を置く順番で解く
この記事の内容は 2026-09-05 時点のものです。
確認できていない範囲:SPIの設問数、分野ごとの出題比率、位置関係の設問がどの程度出るかは提供元であるリクルートマネジメントソリューションズ社が公表していません。この記事で示す図の引き方は当サイトが整理した手順であり、提供元が示した解法ではありません。メモ用紙や筆記用具の条件は受検方式によって異なるため、実際の条件は受検案内で確認してください。
推論のうち、順序(誰が何番目か)と対応(誰が何を持っているか)は、書き方さえ決めれば作業になる。だが位置関係だけは、書き方を決めても崩れる受検者が多い。
理由ははっきりしている。位置関係には向きがあるからである。「Aの右隣」と言われたとき、右がどちらを指すのかを決めていなければ、条件を置くたびに図が裏返る。
この記事では、向きを先に固定してから条件を置く手順を示す。
目次
- 公表されているのは「推論」という括りまで
- 位置関係だけが崩れる理由
- 手順1 ── 図の向きと「見る側」を先に宣言する
- 手順2 ── 動かない条件から置く
- 3つの型ごとの書き方
- 場合分けが必要になったときの畳み方
公表されているのは「推論」という括りまで
リクルートマネジメントソリューションズ社の就職準備応援サイトでは、非言語分野の出題例として「計算」「推論」が挙げられている(同社サイト・2026年9月5日確認)。同社の料金ページによれば、大卒採用向けの SPI3-U の検査時間はテストセンター・インハウスCBT・WEBテスティングで65分、ペーパーテスティングで110分である(同社サイト・同日確認)。
推論の中がどう分かれるか、位置関係の設問がどれだけ出るかは公表されていない。「順序・対応・位置」という分け方も、受検者側・教材側の整理である。
参考として、他社が公開している記載も見ておく。日本エス・エイチ・エル社のGABでは、言語理解テスト(論理)について「400字から800字程度の『主張をもった文章』を読ませ、受検者が、『主張を訴えるために書き手が用意したロジック(論理)をどこまで正しく理解しているか』を測定」と記載され、所要時間は80〜90分である(同社サイト・同日確認)。論理を扱う帯は各社にあるが、設問の型を細かく公開している社はない。
したがって、対策としてできるのは型ごとの処理を固めることであって、出題の予測ではない。
位置関係だけが崩れる理由
順序の推論では、条件を置く場所は1本の線の上にしかない。対応の推論では、縦横の表のマスに落ちる。どちらも置き場所が一意に決まる。
位置関係は違う。「BはAの向かい」「CはBの左隣」といった条件は、図を描く側がどの向きから見ているかによって、置く場所が変わる。円形の座席なら、内側から見るか外側から見るかで左右が逆になる。
つまり位置関係の設問で起きているのは、推論の失敗ではなく座標系の不一致である。同じ条件を、途中で別の座標系に置いてしまっている。
手順1 ── 図の向きと「見る側」を先に宣言する
対処は単純で、条件を読む前に向きを決めて紙に書く。
円形なら「上から見た図・時計回りが右」と余白に書く。 3文字でよい。書いておけば、「Aの右隣」を置くたびに向きを考え直す必要がなくなる。
直線なら「左端を1番として左から並べる」と書く。 設問文が「西から順に」となっていても、自分の図は常に左から右で描く。設問文の向きに図を合わせようとすると、設問ごとに書き方が変わる。
座席(前後左右がある型)なら「後ろから見た図」と書く。 座っている人から見た左右と、図を見ている側から見た左右がずれるのが最大の事故源である。どちらか一方に固定して、設問文の記述を毎回そちらへ翻訳する。
宣言は数秒で終わるが、これを飛ばすと設問1問あたり数十秒を失う。書き方の宣言は、解答時間の一部ではなく投資である。
手順2 ── 動かない条件から置く
向きが決まったら、条件を置く順番を決める。原則は動かない条件からである。
動かない条件とは、置き場所が1つに決まる条件を指す。
- 「Aは端にいる」(直線なら両端の2通りだが、範囲が狭い)
- 「Bは3番目」(1通りに決まる)
- 「CとDは向かい合っている」(円形で人数が偶数なら関係が固定される)
逆に後回しにするのは、置き場所が広い条件である。
- 「EはFより右にいる」(大小関係だけで位置が決まらない)
- 「GはHの隣ではない」(否定条件)
否定条件は最後に使う。 否定条件は場所を決める力を持たず、候補を削る力しか持たない。先に使うと、削る対象がまだ存在しないため何も起きない。
条件を置くたびに、使った条件に線を引いて消す。使い残しがあると、答えが1つに絞れないまま先に進むことになる。
3つの型ごとの書き方
円形の型。 円を描かず、マス目を横一列に並べて左右をつなげたものとして扱うほうが速い。円は書くのが遅く、後から人数を増減しづらい。横一列にして「右端の次は左端」と決めておけば、隣接関係はそのまま読める。向かい合わせは、人数の半分だけ離れた位置として計算する。
直線の型。 人数分のマスを左から描き、番号を振る。番号を振るのが要点で、番号がないと「3番目」という条件を置くときに毎回数え直すことになる。
座席の型(縦横のある型)。 縦横のマスを描き、行と列に名前をつける。「前列・中列・後列」「窓側・通路側」など、設問文の語をそのまま行と列のラベルにする。ラベルを設問文の語に合わせておくと、条件を読みながら翻訳する手間が消える。
いずれの型でも、確定した人は丸で囲む。丸のついていない場所が、まだ動く余地のある場所である。一目で残りが分かる。
場合分けが必要になったときの畳み方
条件を全部置いても1通りに決まらない設問がある。この場合は場合分けに入るが、ここで紙面を使い切る受検者が多い。
畳み方の原則は2つである。
1、分岐は最大2つまで書き、3つ目が出たら設問に戻る。 分岐が3つ以上になるのは、たいてい使っていない条件が残っているためである。分岐を書き足す前に、条件の消し込みを見直す。
2、設問が問うている範囲だけを埋める。 「Aの位置として正しいものはどれか」と問われているなら、B以下の位置は確定させなくてよい。全員の位置を確定させてから答えを探すのは、多くの場合やりすぎである。
設問文を先に読み、どこまで確定させれば答えが出るかを決めてから図に入る ── これは位置関係に限らず、推論全般に効く。
順序型と対応型の書き方はSPIの推論を作業図に落とす手順、推論の型そのものの分類はSPI 推論の頻出形を5つの型に分類するで扱っている。
位置関係の推論は、頭の中で図を回せる人が有利な分野に見える。だが実際に差がついているのは、向きを先に宣言したかどうかである。回せる必要はない。回さなくて済むように、最初に固定してしまえばよい。
SPIの科目ごとにどの手順を当てるかはSPIの設問パターンと手順にまとめている。
この記事で示した手順と、同じ型の設問をまとめて確認できるようにしたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく「なぜそう解くか」の手順を添えている。