新型に当たったときの計算問題 ── 15分の検査で通用する処理の速さ
この記事の内容は 2026-09-06 時点のものです。
確認できていない範囲:就職活動の場で「TG-WEBの新型」と呼ばれている出題が、提供元であるヒューマネージ社のどの検査に当たるかは、同社の公開資料からは特定できません。設問数・設問ごとの制限時間も公表されていません。この記事の手順と速度の目安は当サイトが整理したものであり、提供元が示した基準ではありません。他社の検査の記載は、出題内容が同一であることを示すために引用しているものではありません。
新型に当たった人がまず言うのは「解けなかった」ではなく「終わらなかった」である。
設問1問の難しさは従来型より低いのに、点が出ない。原因は明らかで、1問に使える時間が短いからである。難しさではなく速さで落ちている以上、対策も難しい問題を解くことではなく、処理の手数を減らすことになる。
この記事では、提供元が公表している検査時間から速度の目安を作り、計算量を先に減らす手を示す。
目次
公表されている検査時間を並べる
ヒューマネージ社が公開している検査のうち、検査時間が短いものを並べる。
基礎能力検査 i9neo は、言語および数理に関する基礎能力を測定し、検査時間15分、基準レベルは4年制大学卒業レベル、出題は「IRT(項目反応理論)に基づきランダムに出題」と記載されている。英語能力検査 i9e は検査時間15分である(同社サイト「知的能力検査 i9 / C3 / J3 / P3」ページ・2026年9月6日確認)。
一方、同社の考察力検査 C3 は検査時間30分(別に60分の版もある)、一般常識検査 P3 は検査時間50分である(同ページ・同日確認)。
受検方式については、同社のTG-WEBのサイトに「WEBテスト方式」および「オンラインAI監視型WEBテスト方式 TG-WEB eye」と記載されている(同日確認)。
比較のために他社の記載も見ておく。日本エス・エイチ・エル社の適性検査CABは、実施形態が紙・Web・テストセンター方式、所要時間は72~95分と記載されている(同社サイト・同日確認)。リクルートマネジメントソリューションズ社の料金ページでは、能力検査のみのGAT-Uがインハウスで35分と記載されている(同日確認)。
15分と95分では、同じ「適性検査」でも設計が別物である。短時間型で問われているものに、時間をかけて考える余地は構造的に入っていない。
「新型」という呼び名について
先に断っておくと、「新型」「従来型」という呼び分けは受検者側・教材側の呼び名であり、提供元が公表している区分ではない。同社は設問の型の一覧も公開していない。
したがってこの記事で扱うのは、「短い制限時間で計算を含む設問を処理する」という帯そのものである。呼び名から入る見分け方についてはTG-WEB 旧型と新型にまとめている。
速度の目安は自分で割り算して作る
設問数が公表されていない以上、「1問何秒」は事前には作れない。作れるのは、受検画面に表示された情報から割り算する手順である。
- 開始画面に出た制限時間と設問数を控える
- 制限時間 ÷ 設問数 を出す(これが平均の持ち時間)
- その8割を、1問の目標時間にする
3の「8割」は、見直しと予備のために2割を残すという置き方である。たとえば15分・30問なら平均30秒、目標は24秒。ここまで出たら、時計を見るのは5問ごとに決める。毎問見ると、見ること自体が時間を食う。
この割り算の型は形式が変わっても同じである(TG-WEBの制限時間と速度目標)。
手を減らす3つの型
目標が20秒台になると、正攻法で式を立てて解くには足りない。次の3つで手数を落とす。
型1、選択肢の間隔を先に見る。 選択肢が「120 / 240 / 360 / 480」のように大きく離れていれば、正確な値は要らない。桁と先頭の1桁が合えば1つに決まる。逆に「118 / 120 / 122 / 124」のように詰まっていれば、概算は使えないので正攻法に切り替える。選択肢を見てから解き方を決める、という順番にする。
型2、割り算を掛け算に置き換える。 「Aは B の何倍か」を A ÷ B で出す代わりに、選択肢の倍率を B に掛けて A に近いものを探す。割り算1回より掛け算2回のほうが速いことがある(特に割り切れない場合)。
型3、共通部分を消してから計算する。 比較を問う設問では、両辺に同じ数が掛かっていることが多い。先に消せば桁が下がる。計算に入る前に式を眺める数秒が、計算そのものの時間より短く済む場面である。
桁の多い計算は先頭2桁で決める
4桁以上の数どうしの掛け算・割り算が出たら、先頭2桁と桁数だけで処理する。
たとえば 4,283 × 26 なら、4,283 を 4,300 と見て 43 × 26 = 1,118、桁を戻して約 111,800。実際の値は 111,358 なので、誤差は約0.4%である。選択肢が5%以上離れていれば、これで確定できる。
要点は、誤差がどれくらい出るかを先に見積もることである。先頭2桁で丸めた場合、丸めによるずれは元の数の1%程度までにとどまる(4,283 を 4,300 とした場合のずれは約0.4%)。選択肢の間隔がそれより広いなら安全、狭いなら使わない。どこまで雑にしてよいかの線の引き方は玉手箱の計数で概算に切り替える判断で扱っている。
途中で戻らない ── 1問1往復
短時間型でいちばん時間を失うのは、解き終わった問題に戻ることである。
「さっきの計算、合っていただろうか」と戻ると、設問文をもう一度読み、数字をもう一度拾い、計算をもう一度する。実質もう1問解いたのと同じ時間がかかる。しかも、同じ思い込みで同じ答えに着くことが多く、戻った効果は小さい。
決め方は単純でよい。
- 目標時間内に答えが出た問題には戻らない
- 目標時間を超えて答えが出なかった問題は、その場で選んで次へ行く
- 見直しに使えるのは、最後に余った時間だけ
戻らないと決めておくこと自体が、速度を作る。戻れる前提でいると、1問あたりの処理が無意識に雑になり、結局全部を2周することになる。
捨てる問題をその場で決める基準は従来型で捨てる問題をどう決めるかにまとめている。
短時間型で必要なのは、難しい問題を解く力ではなく手数の少ない解き方を持っていることである。選択肢を先に見る、割り算を掛け算に置き換える、共通部分を消す。この3つを練習の段階で身体に入れておけば、当日に考える必要がなくなる。
TG-WEBの設問ごとの手順はTG-WEBの設問パターンと手順、難しく感じる理由の分解はTG-WEBが難しく感じる理由にまとめている。
この記事で示した手順と、同じ型の設問をまとめて確認できるようにしたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく「なぜそう解くか」の手順を添えている。