TG-WEBの制限時間と速度目標 ── 提供元が公表している検査と、公表されていない数字
この記事の内容は 2026-09-04 時点のものです。
確認できていない範囲:提供元であるヒューマネージが公開しているラインナップのうち、所要時間が明記されているのは判断推理力検査 i9(30分)のみです。他の検査の所要時間・設問数、および企業ごとの検査の組み合わせは公表されていません。また、就職活動の場で使われる『従来型』『新型』という呼び名は、同社の公開ラインナップには記載がなく、公式の名称ではありません。そのため、この記事ではどの検査がどちらに当たるかを断定していません。
TG-WEBの制限時間について調べると、形式ごとに異なる分数と問題数が並んだ表がいくつも出てくる。ところが、その出どころが示されていることは少ない。
この記事では、提供元が公開している情報を確認したうえで、公表されている数字と公表されていない数字を分けて示す。そのうえで、速度目標を自分で出す手順を置く。
目次
提供元が公開しているラインナップ
TG-WEBの提供元であるヒューマネージは、TG-WEBのラインナップページで提供する検査を一覧にしている。能力面を測る検査として記載されているのは次の4つである(同社サイト・2026年9月4日確認)。
| 検査 | 記号 | 公開ページの説明 |
|---|---|---|
| 判断推理力検査 | i9 | 言語・数理に関する論理的思考力を30分の検査で測定します |
| 考察力検査 | C3 | 文章を的確に理解する力、数理問題を論理的に解釈する力を測定します |
| 事務処理能力検査 | J3 | 限られた時間の中で正確な処理ができるかどうかを測ります |
| 一般常識検査 | P3 | 国語、英語、数学、時事の4つの分野から知識レベルを測ります |
このほかに、コンピテンシー適性検査 A8、エモーショナル・インテリジェンス適性検査 E9、コーピング適性検査 G9、ジョブ・クラフティング適性検査 Q1、ベーシックパーソナリティ適性検査 B5、チーム・コミュニケーション適性検査 W8、グローバルリーダーシップ適性検査 U1、ハピネス適性検査 P8 が並んでいる。企業はこの中から検査を組み合わせて実施する形になる。
ここで押さえるべき事実は一つ ── 所要時間が明記されているのは i9 の30分だけである。C3・J3・P3 の所要時間は、このページには書かれていない。
「従来型」「新型」は公式の名称ではない
対策情報では「TG-WEBの従来型」「TG-WEBの新型」という呼び分けが広く使われている。難しい少数問題が出るものと、易しい問題を数多く処理するもの、という区別で語られることが多い。
しかし、同社の公開ラインナップには「従来型」「新型」という名称は出てこない。 並んでいるのは上に挙げた記号つきの検査名である。
したがって、この記事では次の書き方を取る ── 世間で「従来型」「新型」と呼ばれている区分は、受検者側で共有されてきた呼び名であり、提供元が定めた名称ではない。どの検査がどちらに当たるかについても、公開情報から対応づけることはできないため、断定しない。
呼び名そのものが役に立たないという意味ではない。受検者どうしで話を通すには便利な言葉である。ただし、提供元の仕様として引用できる言葉ではないという区別は持っておきたい。
なお、問題の見た目からタイプを見分ける観点はTG-WEBの旧型と新型の見極め方で扱っている。
公表されていない数字をどう扱うか
制限時間と設問数の対応表が対策情報に出回っているのは、受検した人が持ち帰った情報が蓄積されたためだと考えられる。参考にはなるが、次の2点は意識しておく必要がある。
1、企業ごとに組み合わせが異なる。 提供元は複数の検査を提供しており、企業がどれを、いくつ組み合わせるかを決める。他の受検者の報告がそのまま自分に当てはまるとは限らない。
2、時期による変更が反映されているとは限らない。 出どころの示されない数字は、いつ時点の情報かも分からない。
したがって、事前に得た数字を前提にした時間配分を組んで本番に臨むのは危うい。前提が外れたときに、その場で組み直す余地がなくなる。
代わりに取るべき構えは、後述するように「受検画面に出た数字から、その場で速度目標を出す」ことである。この手順であれば、事前情報が当たっていても外れていても同じように機能する。
速度目標は受検画面から自分で出す
手順は3つに分かれる。
手順1、開始前に制限時間と設問数を確認する。 検査の開始画面には、その検査の制限時間が表示される。設問数が表示される形式であれば、それも控える。
手順2、割り算をして1問あたりの秒数を出す。 制限時間 ÷ 設問数。仮に i9 のように30分の検査であれば、設問数が20問なら1問90秒、30問なら1問60秒になる。この計算自体は数秒で終わる。
手順3、設問数が表示されない場合は、経過時間だけを信号にする。 全体の何割の時間が過ぎた時点で、何問目にいるか。この対応を数問ごとに確認する。設問番号が全体の進捗より遅れていれば、切る判断を早める。
この手順の要点は、事前情報がなくても機能することである。手元に対策情報の表がなくても、受検画面に出ている情報だけで速度目標が作れる。
時間の性質が検査によって違う
もう一点、公開ページの記述から読み取れることがある。検査によって、時間の意味が違う。
事務処理能力検査 J3 の説明は「限られた時間の中で正確な処理ができるかどうかを測ります」となっている。ここでは時間の制約そのものが測定の対象に含まれている。速く正確に処理できるかを見る検査であれば、難しい設問で粘る戦い方は設計上そもそも合わない。
一方、判断推理力検査 i9 の説明は「言語・数理に関する論理的思考力を30分の検査で測定します」であり、考察力検査 C3 は「文章を的確に理解する力、数理問題を論理的に解釈する力」となっている。こちらは処理量ではなく、論理を追えるかに重心がある。
つまり、同じ「TG-WEB」でも、検査によって時間の使い方の正解が変わる。処理速度を見る検査では飛ばす判断を早く、論理を見る検査では1問に落ち着いて向き合う ── この使い分けは、公開されている検査の説明から素直に導ける。
自分が受ける検査がどれかは事前に分からないことが多い。だから、開始直後の数問で「これはどちらの性質か」を判断する構えを持っておく。設問が短く数が多ければ処理型、設問が長く重ければ論理型、という当たりのつけ方でよい。
練習で時間を測るときの設計
練習で時間を測るときは、次の2つを分けて測る。
1、1問あたりの所要時間。 平均だけでなく、極端に時間がかかった問題の型を記録する。TG-WEBで時間を失うのは、型を知らない設問に初見で当たったときであることが多い。その型を1つ潰せば、次からその設問は安くなる。
2、飛ばす判断までにかかった時間。 解けない問題を切ると決めるまでに何秒かかっているか。ここが長い受検者は、正答率ではなく判断の遅さで時間を失っている。切る基準(1問あたりの目標秒数の2倍など)を決めて練習すると短くなる。
TG-WEBの科目ごとにどの手順を当てるかはTG-WEBの設問パターンと手順にまとめている。型の引き出しを増やすことが、そのまま所要時間の短縮になる分野である。
3形式を併願する場合の対策時間の配り方は3形式の時間配分で扱っている。
制限時間の表を暗記しても、企業ごとの組み合わせが違えば当てが外れる。公表されている数字を正しく知っておきつつ、本番では受検画面から自分で速度目標を出す ── この二段構えが、どの検査に当たっても崩れない構えになる。
この記事で示した速度目標の出し方と、検査ごとの設問の型をまとめたものが「就活定石ノート Webテスト編」(税込3,980円・買い切り)である。玉手箱・SPI・TG-WEBの3形式に絞り、答えだけでなく手順を添えている。